今までの記事の中で、何度か離合詞というのを記載してきました。これは日本語で「離合詞」、中国語で「离合动词(離合動詞)」、英語では「Verb-Object(Separable verbともいいます)」といい、中国語を勉強するうえで避けて通れない一種の動詞です。意味を理解しておかないと、後々中国語勉強の障害となるので、しっかりマスターしましょう。
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目次
離合詞とは
離合詞とは一見動詞に見えますが細かく分解すると「動詞+目的語」からなる動詞のことです。
走路→(道を)歩く
動詞:走→歩く
目的語:路→道
爬山→山登りする
動詞:爬→登る
目的語:山→山
喝酒→お酒を飲む
動詞:喝→飲む
目的語:酒→お酒
「走」「爬」「喝」のように動詞だけでもいいのでは?どうして目的語を取る必要があるのか?と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、中国語は基本的に習慣として動詞1字だけで使用することはありません。
つまり、「我走」「我爬」「我喝」は基本的にはないのです(ただし、「要」「想」といった動詞がつく場合や受動文、「走走走」のように動詞が連なる場合や動詞の前に形容詞がつく場合等例外はあります)。
ではなぜ、動詞が離合詞か単純な動詞か覚える必要があるかというと、離合詞はあくまで「動詞+目的語」からなる動詞のため、「動詞」と「目的語」に分解して使うことができるからです。
目的語を別の単語に置き換える
分解できるので、目的語を別の単語に置き換えることができます。
例えば、先ほどの例だとこのようになります。
走路→走這條路(この道を歩く)
爬山→爬富士山(富士山を登る)
唸書→念中文書(中国語を勉強する)
アスペクト助詞と結果補語を間に置く
分解できるので、「動詞+目的語」の間に「過/了/著」といったアスペクト助詞や「完/好」などの結果補語を置くことができます。また、アスペクト助詞や結果補語は動詞のあとにおきます。ただし、アスペクト助詞がつく場合は目的語はあってもなくても構いません。会話の内容で判断します。
喝酒→喝過酒(お酒を飲んだことがある)
吃飯→吃完飯(ご飯を食べ終わった)
数量や時間を間に置く
また、数量や時間をいうときも動詞と目的語の間におきます。
上班→上下午的班(午後シフトで働く)
喝酒→喝了三瓶酒(三本お酒を飲んだ)
では、全ての動詞が離合詞なのかというとそうではありません。例えば「喜歡」「工作」など2文字で一つの動詞の場合があります。これは分解して使用することができません。
間違いやすい例
離合詞を覚えないと間違った使い方をすることがあります。よく間違う単語を例としてあげます。
1.「見面」
「見面」は離合詞なので、「見」+「面」に分けることができます。
「見面」は顔を合わす、つまり人に会う意味です。
例として「あなたに会いたい」という中国語を挙げます。
×我想見面你
ここで「面」は本来の意味は顔ですが、この場合顔は人の意味として捉えます。ここで、面のあとに你をつけると「人あなたに会う」という意味になり変ですし、見の動詞のあとに目的語が二つ来ることになり、上記の例は間違いです。
正しくは、
○我想跟你見面
○我想見你
とします。
2.「幫忙」と「幫助」
「幫忙」と「幫助」はどちらも手助けをするという意味の中国語ですが、文法に違いがあります。
幫忙→離合詞
幫助→2字で一つの動詞
○我要幫他的忙
×我要幫他的助
×我幫忙他
○我幫助他
離合詞か2字で一つの動詞かで、上記のように文法が変わります。新しい動詞を覚えるときは、離合詞かどうかも合わせて覚えることをおすすめします。